1つのドメインに記事をどんどん付け足していくサイトを作る場合、WordPress(ワードプレス)は非常に便利です。
ただ、記事が増えるにつれて、ある不安が脳裏をよぎります。
それは「記事やサイトのバックアップをとっていないから(バックアップの取り方が分からないから)、サーバーがディスク障害を起こしたら、データが全部吹っ飛ぶな・・・」という不安です。
記事数が増え、アクセスが増え、サイトが持つ影響力が増えていくにつれて、この不安もどんどん大きくなっていきます。
HTMLサイトの場合、パソコン内にバックアップデータが残ります。
しかし、WordPress(ワードプレス)の場合、管理画面で記事を書くので、自分でパソコン内に記事や画像などのコピーをとっておかないと、バックアップがとれません。
最近のサーバーは、安いサーバーでもディスク障害を起こしてしまうほどの不安定さはなくなってきていますが、完全になくなったワケではありません。
明日、日本に大地震が来る確率はかなり低いと思いますが、それでも確率はゼロではありません。常に、その可能性は存在しています。
それと同じで、明日、サーバーがディスク障害を起こしてデータが全部吹っ飛ぶ確率はかなり低いと思いますが、それでもゼロではありません。
僕自身、当サイトの記事のバックアップは今までとっていませんでした。
もし、データが全て吹っ飛んで消えてしまったら、ショックで立ち直れないと思います。。
仮に、自分で書いた記事はバックアップをとっておいたとしても、コメント欄は復旧できません。。
記事もコメントもバックアップをとっておかなければ再現不可能です。
なので、そういった最悪の出来事に対してしっかり備えておくことが大切です。
対策しておけば安心ですし、ビジネスを継続していくための不安要素を1つ減らすことができます。
バックアップを取る前に知っておきたいWordPressの基礎知識
FTPソフトを見れば分かる通り、WordPress(ワードプレス)の場合、個々の記事はサーバー上には残りません。
FTPソフトでアクセスできるのは「WordPress(ワードプレス)自体を構成しているファイル」や「アップロードした画像(/wp-content/uploads/)」「テーマ(/wp-content/themes/)」「プラグイン(/wp-content/plugins/)」などです。
では、「記事」や「コメント」や「カテゴリ情報」などはどこにあるのかというと、データベースに全て書き込まれています。
データベースは拡張子が「.sql」のファイルです。
アクセスがくると、WordPress(ワードプレス)はそのデータベース(sqlファイル)を参照して、そのデータを元にサイトを表示します。
これを「データを動的に表示する」と言います。データベースの内容によって、フレキシブルに表示される内容が変わります。
サイドバーなどの共通部分を変更すると、全てのページでそれが反映されるのは、元となっているデータベースが書き換えられたためです。
一方、通常のHTMLサイトの場合はデータを静的に表示します。データベースにアクセスすることもなく、元々用意してあったファイルをそのまま表示(静的に表示)するだけです。
このような違いがあるため、WordPress(ワードプレス)で作ったサイトの方がサーバーにかかる負担が大きくなります。
記事数やコメント数、カテゴリ数などが増えるにつれ、データベースの容量も大きくなるので、そのぶんサーバーへの負担も大きくなります。
そのため、安かろう悪かろうな格安サーバーにWordPress(ワードプレス)をインストールすると、記事数が増えるにつれ動作が重たくなり、表示に時間がかかる場合があります。時には、サイトが表示されないこともあります。
WordPress(ワードプレス)のデータベース(sqlファイル)はサーバー上にありますが、FTPソフトではアクセスできません。
つまり、WordPress(ワードプレス)のバックアップをとる場合、「FTPソフトでアクセスできるサーバー上のデータ」だけでなく、「データベース(sqlファイル)」もバックアップをとる必要があるということです。
- FTPソフトでアクセスできるサーバー上のデータ
- データベース(sqlファイル)
というか、データベースをバックアップしていないと、WordPress(ワードプレス)の場合はバックアップがとれているとは言えません。
WordPressのバックアップを自動でとってくれるプラグイン「BackWPup」
WordPress(ワードプレス)で作ったサイトの「データベースを含めた全てのファイル」のバックアップをとってくれるプラグインが「BackWPup」です。
BackWPup Free – WordPress Backup Plugin
このプラグインをインストールすると、手動でも自動でもWordPress(ワードプレス)で作ったサイトのバックアップを取ることができます。
バックアップをとる場所は分散する 〜 オススメはDropBox
当然ですが、バックアップをとる場所はWordPress(ワードプレス)で作ったサイトが入っているサーバーとは違うサーバーにする必要があります。
同じサーバーにバックアップをとっても、そのサーバーがディスク障害を起こしてしまったら、オリジナルもバックアップも両方ともデータが紛失してしまうからです。
バックアップの意味がありません・・・。
僕の場合は、DropBox(ドロップボックス)にデータをバックアップしています。
というか、仕事関係のファイルや撮影した写真など、すべてDropBox(ドロップボックス)にバックアップしています。
仕事関係のファイルは、パソコンとDropBox上のデータを同期して、DropBox上のデータをパソコンで操作しているので、どのパソコンを使っても常に最新のファイルにアクセスできます。
世界中どこにいても、ネットにつながる環境なら、常に最新のファイルにアクセスできます。
DropBoxのプランは現状では以下の3つです。
- ベーシック:2GB(無料)
- プロ:1TB(月9.99ドル or 年間99ドル)
- ビジネス:5TB(5人で月7,500円〜 or 年75,000円〜)
僕が使っているプランは「Dropbox プロ」という1TB(約1000GB)のプランです。
1TBもあれば、もう十分です。まだ、半分以上も容量が残っています。
月額9.99ドルなので、1ドル120円計算だと月1,200円ほど、年間14,400円ほどです。
年間契約だと17%割引になり年99ドルになるので、1ドル120円計算だと年間11,880円、月990円ほどです。
つまり、DropBoxは年間契約すると、月1000円ほどで1TBの容量をバックアップや写真の保存などに使えるということです。
中には「俺はバックアップを自動でとることができる高価なサーバーを使っているから大丈夫!」と思っている人もいるかもしれませんが、2012年6月に起こったファストサーバの大規模障害のように人的ミスによってデータが全て消失するということもあります。
ファーストサーバ障害、深刻化する大規模「データ消失」:日本経済新聞
人が管理している限り、必ずミスは起こります。人が運転している限り、必ず車や電車の事故が起こるように。
なので、サイトを置いてある場所とは全く違う場所に自動的にバックアップをとるようにすることが重要です。
アフィリエイターにとってサイトはお金を生み続ける資産ですからね!
WPプラグイン「BackWPup」の設定方法
では、プラグイン「BackWPup」をインストールして、ワードプレスのバックアップをDropBox(ドロップボックス)にとる方法を解説します。
慣れると意外と簡単です!
まずは、プラグイン「BackWPup」をインストールします。
「プラグイン」→「新規追加」で「BackWPup」で検索します。
「いますぐインストール」ボタンをクリックしてインストールしたら、プラグインを有効化します。
すると、左側のメニューの下の方に「BackWPup」というメニューが表示されるようになります。
この左側のメニューから「新規ジョブを追加」をクリックします。
新規ジョブを追加 → 一般
最初に「一般」タブの設定です。
「このジョブの名前」は何でもOKです。僕の場合は「wp_backup」にしています。
「このジョブは・・・」は全てにチェックを入れます。
「アーカイブ形式」は僕の場合はデフォルトの「Tar GZip」にしていますが、解凍できない場合は「Zip」などを選んでもいいかもしれません。
「バックアップファイルの保存方法」では「Dropboxにバックアップ」にチェックを入れます。Dropbox以外にバックアップをしたい場合は、他のものにチェックを入れます。
Dropbox以外にバックアップをしたい場合は、他のものにチェックを入れます。
最後に「変更を保存」ボタンをクリックします。
新規ジョブを追加 → スケジュール
次に「スケジュール」の設定です。
「ジョブの開始方法」で「WordPressのcron」にチェックを入れます。
もし、バックアップが正常にとれない場合は、サーバーがcronに対応していない可能性があります。格安サーバーだと対応していないかもしれません。
「スケジューラ」ではバックアップを自動で取りたい頻度を選択します。
僕の場合は週に1回で十分なので、日曜日の3時にバックアップを自動でとる設定にしています。
最後に「変更を保存」ボタンをクリックします。
新規ジョブを追加 → 宛先: Dropbox
最後にDropboxの設定です。
「DBバックアップ」「ファイル」「XMLエクスポート」「プラグイン」「DBチェック」タブは初期設定のままでOKです。
数字の1〜5の順番で設定していきます。
まずは、「Dropboxのアプリ認証コードを取得」をクリック。
Dropboxページが開くのでログインします。
Dropboxの「アプリ → BackWPup」フォルダへのアクセスを許可するため「許可」ボタンをクリック。
なんだかよく分からない文字列をコピーします。
コピーした文字列を「Dropboxのアプリへのアクセス」にペーストします。
「コピー先のフォルダー」は何でもOKです。僕の場合は分かりやすいように、ドメイン名にしています。
「ファイルを削除」はデフォルトでは「15」になっていますが、15週分のバックアップは多すぎると思ったので、5週分だけ残すようにしています。
最後に「変更を保存」ボタンをクリックします。
すると、「認証済み!」という文字が表示され、設定完了です。
管理バーの「BackWPup」を消す
BackWPupをインストールすると、WordPressの管理バーに「BackWPup」のリンクが表示されます。
正直、これは今後必要ありません。なので、消しちゃってOKです。
消すには、左メニューから「設定」をクリックし、「管理バーにBackWPupリンクを表示。」のチェックボックスを外し、「変更を保存」ボタンをクリックします。
これで消すことができます。
今すぐ手動でバックアップをとってみる
設定が完了したら、念のため、今すぐ手動でバックアップをとってみることをオススメします。
左メニューで「BackWPup → ジョブ」をクリックします。
ここで「今すぐ実行」をクリックします。
すると、バックアップ作業が開始されます。
ページ数が多いサイトの場合は数分待つかもしれません。
当サイトの場合は108秒でバックアップが完了しました。
Dropboxでバックアップファイルをチェック
DropBox(ドロップボックス)でバックアップファイルをチェックしてみます。
「Dropboxトップページ > アプリ > BackWPup」と進むと、先ほど設定した「コピー先フォルダー」があります。
このフォルダをクリックすると・・・
「tar.gz」という形式で圧縮されているファイルがあります。
これをパソコンのデスクトップにダウンロードして解凍します。
右クリックして「開く」を選びます。
ここでデスクトップにドラッグすれば、圧縮ファイルをダウンロードできます。(ダウンロードすると、Dropboxの方は空になるので、それが嫌な人はコピーするといいと思います。)
解凍ソフトは「tar.gz 解凍」などで検索すれば出てきます。
Macの場合は特に解凍ソフトをインストールしなくても、ダブルクリックで解凍できます。(ちなみに、僕はMacです。)
解凍してフォルダの中を確認してみます。
FTPソフト上で見れるファイルに追加して、「プラグインリスト(.txt)」や「xmlファイル(.xml)」、そして「データベースファイル(.sql)」などがあることが確認できると思います。
赤ラインがFTPソフト上ではなかったファイルです。
そして、拡張子「.sql」のファイルがデータベースです。ワードプレスのコア(心臓)となる大切なファイルです。
これらのファイルがあれば、もし使っているサーバーがディスク障害を起こしてデータが全て消えてしまったとしても、以下の手順で復元できるはずです。
- ドメインのネームサーバーを他のサーバーに変更
- 新規サーバーにWordPressをインストール
- 画像やテーマやプラグインなどをFTPソフトでアップロード
- データベースファイル(.sql)をWordPressの管理画面の「ツール → インポート → WordPress」から読み込み
- その他、微調整
WordPressでサイトを作ることが多いアフィリエイターなら、「プラグインBackWPupでWordPressのバックアップをDropboxにとる方法」はぜひ知っておきたいことの1つです。
これをやっておけば、データが消えてしまう不安について考えることなく、ぐっすりと眠ることができますからね!
追伸:Dropboxとパソコンを同期している場合
DropBox(ドロップボックス)とパソコンを同期している場合、WordPressのバックアップファイルがパソコンのハードディスクにも保存され、ハードディスクの容量がどんどん減っていってしまいます。
WordPressのバックアップファイルはパソコンに保存する必要はないと思いますし、ハードディスクの容量が少なくなるとパソコンも不安定になるので、同期を解除した方がいいと思います。
というわけで、「アプリ」フォルダの同期設定を解除する方法を説明します!
画面はMacですが、Windowsでも同様の方法でいけると思います。
同期設定を解除するには、まずデスクトップの右上にあるDropboxのメニューをクリックし、右下の歯車のアイコンをクリックし、「基本設定」を選択します。
「アカウント」タブをクリックし、「設定を変更」ボタンをクリック。
この画面で「アプリ」のチェックボックスを外します。
これで、ワードプレスのバックアップファイルがパソコンのハードディスクに保存されないようになります。
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当サイトでは他にも技術的なことに関する記事があります。
もしよかったら、こちらの記事も参考にどうぞ!
こんにちは。
またまた質問があります。
記事を作成する際、文章のみで作られていますか?
商品画像とか、イメージできるような画像とか使われたりしていますか?
是非お聞かせください。よろしくお願いいします。
vovuさん
どんなジャンルでも画像があった方がいいに決まっていますね。
特に、女性向けの場合は、画像がないと読んでもらえないと思います。
タイガーさんはじめまして
中井といいます
いつもブロブ参考にさせて頂いたいています。
質問があるのですが皆さんサイトに商品の画像など載せていたりしますが
広告主のサイトから画像をコピーして使用するのは違反になりますか?
違反になるとすれば
少しでも加工すれば大丈夫でしょうか?
中井さん
この手の質問はASPにした方がいいと思います。
僕がこういう場で答えられる質問ではないですし、広告主によっても違いますからね。
広告主によっては、バナーとは別に商品画像を用意しているところもありますよ。
はじめまして、
いつもタイガーさんのブログを楽しみに拝見させていただいています。
こちらのWordPressのバックアップは、前々から「やらなくては!」と思いつつも、データベースとなると難しそうで苦手意識があり、ついつい後回しにしてしまっていたので、非常に勉強になりました。
こちら、WordPressのツールに標準で付いているXMLファイルの「エクスポート」機能と、FTPの全ファイルのバックアップ、の2つだけでは、やはり万が一のときには、不完全なのでしょうか?
(1)XMLエクスポートで記事をバックアップして、FTPで画像やテーマファイルをバックアップする
(2)データベースでSQLファイルをバックアップして、FTPで画像やテーマファイルをバックアップする
の違いがもしわかりましたらアドバイスいただければ嬉しいです!
突然の質問で、大変恐縮ですが
よろしくお願いいたしますm(_ _ )m
ここむるさん
(1)だとデータベースのバックアップがとれていないので、サイトを復元する時に何かとトラブルが起こるような気がします。
記事だけバックアップできても、カテゴリ情報やプラグイン情報、管理画面の情報などなど、WPは他にも様々な要素で成り立っているので、やっぱりデータベースのバックアップは必須だと僕は思っています。
オススメは、テストドメインで両方試してみることです。
1)WPをインストールして、記事を3つくらい書く。
2)バックアップをとる。
3)FTPソフトで全てのデータを削除する。(ハードディスク障害が起こった時と同じ状態。)
4)再度WPをインストールして、バックアップを元にサイトを復元する。
上記のテストを2つの方法でやって、不具合が出ない方、自分が復元しやすい方を採用すればいいと思います。
もし、テストしたら、コメント欄で結果を教えてもらえたらうれしいですね!
ここむるさん
僕の方で試してみたのですが、エクスポートしたXMLをインポートするだけでは、アイキャッチが表示されませんでした。
記事内に画像は表示されましたが、どの記事にどの画像がアップロードされたのかという情報が管理画面上で取得できませんした。
その後、SQLファイル(データベース)をアップロードして試したら、正常に復元できました。
よって、SQLファイル(データベース)を使った復元の方が良いということになります。
タイガーさん、いつも楽しみにブログを拝見しております。
ペラサイト量産に当たって、a8.netなどのアフィリエイト広告タグってリダイレクトしたりしてますか?
もしくはそのまま貼り付けてますか?
いつもブログを楽しみにしています。ブログにRSSは設置されないのですか?できれば設置してほしいなと図々しく思っています^^;気が向いたら考えてみてください。
鬼ぎりさん
RSSには対応していますよ!
どのRSSリーダーを使っているのか分かりませんが、URLをコピペすれば登録できるはずです。
少なくとも、feedlyとlivedoorは対応しています。
そもそも、WPで作ったサイトは基本的にデフォルト対応です。
なので、「RSSボタンがない」=「RSSは設置していない」ではありません。